一般的に、俳優はまず与えられた脚本を熟読・消化し、その中から自身が演じるべき役柄に対するイメージや演技の基本方針、大まかなアクション・タッチを構想し、必要であると考えれば
知識・
技能・
語学・
資格・
哲学・
宗教的価値観などを習得して役に見合った知性や技術を磨いたり、または自分なりに各方面への取材を行うなどの情報収集を行って役柄に対する理解を深めたり、あるいは、役柄のイメージに適合するように自身の風貌・体形などの外観改造を行う。これを総じて
役作りという。
その際、こうした作業に没頭するあまり寝食を忘れるほどに熱中する者も見られ、また演技上のリアリティを追求するあまり、演じるべき役柄の人生や経験に関して、過剰とも思われるほどの実体験を試みる俳優も存在する。また、その役柄に見合った外見を構築するため、理髪や剃髪、体重の増・減量を行ったり、あるいは大胆な肉体改造、場合によっては
整形手術や
入墨まで行う俳優も散見され、これが話題を呼ぶこともしばしばである。
またこれは全世界的な傾向であり、
フランス・
デンマーク・
イタリア・
ドイツ・
スペイン映画を中心とするいわゆる
欧州映画においては、むしろ俳優本来の個性を重視する傾向が強いほか、
中国の商業映画においては、もっぱら監督自らがじっくり出演者に対して演技やメイキングを逐一指導する傾向が見られ、すでに大衆娯楽として確立している
香港映画や
タイ映画、
中南米映画などにおいては、もっぱら諸俳優の既存の演風を尊重した上でキャスティングが組まれることが多く、また
韓国映画・
ドラマにおいては余りの撮影スケジュールの短さから撮影現場における監督の演技差配権が支配して俳優の自主性が抑えられる傾向にあるほか、
インド映画では
文芸・
哲学性作品における監督の全編にわたる影響力と、
娯楽映画におけるそのままのキャラクターでの映画出演が好まれる二極化並存するなどの傾向が見受けられる。